マニフェストは嘘だった
   解散・総選挙で信頼ある政治体制を (2011.08.01)

復興は閣外協力で推進を

東日本大震災は巨大地震と津波の複合災害。そこに原発事故が重なりました。阪神淡路大震災に比べ、政府の対策が遅々として進まぬのは何故なのか。被災者や地元自治体からは、不満や悲鳴が絶えません。復興補正予算案の国会提出は遅く、しかも小規模。復興基本法の提出も、阪神淡路の時に比べ、二ヶ月も遅れてしまいました。

民主党内閣の体たらくに、野党は内閣不信任案を提出しました。内閣の怠慢への不信任でしたが、説明不足から、復興さなかの政争との誤解を与えてしまいました。現実は、遅れて出て来た補正予算も法律も、国会での野党協力で迅速に処理されているのです。民主党内の政権闘争のゴタゴタこそが問題なのです。

震災対応の遅れ

菅内閣不信任案採決後の世論調査では、自民党の支持率が下がりました。テレビキャスターの「義援金が届かない、原発事故で苦しんでいるのに、政治が対立するときですか。野党が協力しないと」とのコメントの為でしょうか。事実は少々違います。

阪神淡路大震災に比べて、対応が遅れているのは、与野党対立の影響ではなく、民主党内閣の行政執行の稚拙さと党内のゴタゴタの為。大震災対応の補正予算や法律、マニフェスト違反の税法すら、野党の協力で、短期間で国会を通過。政府案の国会提出と執行の遅れこそが、民主党内閣の人災です。

ダメな民主党内閣

憲法上「行政権は内閣にあり」ます。震災や原発事故対応を含め、日本を統治するに必要な予算や法律案は内閣が国会に提出し、審議・承認を受け、行政は執行されます。つまり、内閣は予算や法律案を作る大局的現状認識と見識を必要とし、官僚を動かす経験や包容力が必要となります。

民主党は総選挙で圧倒的多数を得ており、内輪もめせず、迅速にコトを運べば、野党は震災対策には全面協力します。民主党の結束、謙虚さ、能力、経験のなさが、震災対策を遅らせ、不信任案につながったのです。

大連立は難しい

大震災という異常時には、与野党の大連立で、迅速な行政をとの意見があります。憲法は、「内閣(各大臣)は行政権の行使について、連帯して国会に責任を負う」と定めています。復興に限らず、外交安保、教育、税制等理念の違う行政分野でも共同責任を負わねばなりません。

自社さ政権後の社会党の凋落が失敗例です。綱領なし、主権者への約束のマニフェストの実行なし、旧社会党、新左翼、市民運動家の混合政党とは、自民党首班以外の連立は無理。復興は、国会での全面協力です。

「嘘」は信を失う

民主党内閣で円滑に行政が執行できないのは、経験や知識不足以上に、与党の自覚、責任感、信頼のなさの為です。つまり、「嘘」のまかり通る政治手法です。国民に約束し票を頂いたのに、約束していない消費税をやろうとし、子供手当等を実行せぬ嘘、普天間での沖縄県民と米国への嘘、退陣するしないの嘘・・・。

子ども手当等マニフェストの不実行は、大震災の為ではありません。十六兆八千億円の所要財源を、無駄を省いて捻出する約束が嘘だったからです。嘘の言い訳を大震災に求めるのは、被災者への冒涜でしょう。

総選挙で信を問う

統治能力や与党の責任感以前に民主党は国民に奉仕する政党としての機能を既に失なっています。鳩山・菅の密約会談で、「やめる」と言った、言わない・・・。総理に辞任を迫る執行部は、地位に固執する菅総理に打つ手がなく、右往左往です。

菅総理の我欲が通り、多数決で国会は七十日延長。民主党内のゴタゴタで、国民不在の行政の停滞が続きます。その原因は、民主党が有権者に約束したマニフェストの「嘘」にあります。震災対応を急ぎ、一刻も早く総選挙を実施し、各党が「嘘」のない公約で、政治の信頼を取り戻す時です。

伊吹文明 顔写真

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