国会レポート

NO.239  国民主権の在り方を考える(最高裁の判決)

かけ蕎麦の湯気の向うに除夜の鐘。年もあわただしくおしつまりました。お元気ですか。

一年前の総選挙結果は、投票権較差が二倍を超え、憲法14条の法の下の平等に反し無効との訴えに、 最高裁は違憲状態だが選挙結果は有効と判決。 違憲状態とした裁判官九名、違憲が三名、合憲二名でした。

憲法は日本の事ごとを決める主権は国民にあり、国民は「正当に選ばれた代表を通じて行動し」としています。主権を託する選挙、 特に行政権創出(総理大臣指名)権限を持つ衆議院議員選挙は、日本国政の根幹なのです。

現在、衆議院議長の下で、今回の判決も参考に、選挙制度の審議が進んでいます。 法の下の平等を厳格に解釈すると、人口移動の激しい現在、総選挙ごとに選挙区割を変更せねば、憲法に反することになります。 このことは、主権を託した有権者が、投票した議員を監視、評価し、次の選挙で勤務評定するチェック機能を失なわせます。 有権者と主権を託された者の関係を不安定にするのです。

そこで国会は、その立法意図として、憲法14条の法の下の平等を前提としつつも、 「直近の国勢調査(十年ごと)の数字を参考に、二倍を越えぬよう区割を画定する」とし、 十年間は較差が二倍を越えても、主権者のチェック機能を担保しています。 主権の平等か、主権によるチェックか。皆さまはどうお考えでしょうか、主権者として。

今年はこれで結びとします。良いお年を。

2015年12月18日 於議員会館

伊吹文明

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