国会レポート

NO.244  年金制度を持続させる為に(負担あって給付あり)

手洗鉢ひとひら沈む老紅葉。歳晩となり、あわただしい毎日です。お元気ですか。

年金改革法が成立しました。従来は、物価より賃金の伸びが低い時は、賃金の伸びで年金支給額を改定していましたが、 賃金がマイナスの時は、年金を据置いていました。今回の改正案では、年金支払いの原資を負担する現役世代の立場も考え、 マイナス改定に踏み込んだものです。民主党政権時のように、物価や賃金がマイナスにならぬようにするのが政治の責任です。 失敗すれば年金が下るので、激しい議論がありました。

年金を受ける長寿世代には給付額、現役世代には給付から引かれる保険料が、生活に直結します。加えて、将来の人生をイメージして、子供を生み、 育てる意思決定をすら左右します。しかし、年金は保険料とその運用益を受給年令に達した人に支払う仕組で、厳格な数理計算に基づいています。従って、 個人の損得や不安を煽って、支持を得る政治的動きをすると、制度破綻や誰かが負担を被ることになりかねない恐れが生じてしまいます。

公的年金は、国民共通の基礎年金とサラリーマンへの報酬比例の上乗せ分の厚生年金の二つ。茶筒型の人口構成が、長寿少子化で擂り鉢型に変った現在、 現役世代の負担を抑え、制度を安定的、持続可能なものにするのが今回の制度改正の狙いなのです。

今年は、これをもって国会レポートを終ります。おそろいで良い年をお迎え下さい。

2016年12月16日 於議員会館

伊吹文明

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