来年度予算案の衆議院審議が超スピードで進み、論戦の場は参議院に。識者の先生方からは、総選挙で圧勝した高市自民党の横暴とのコメントが多いようです。それも一理ある一方、少数野党の結束力のなさ、新しい政党の新人議員の割当時間を消化できない勉強不足もあるのでは。衆議院議長を務めた私は、高市さんには総理大臣である前に、憲法の定める国民主権を預る唯一の国家機関・国権の最高機関・衆議院の議員である誇りを忘れず、国会の権威を護ってほしいと願っています。
米国とイスラエルのイラン攻撃は、衆議院の予算審議が始まった後に起ったので、そのことが世界経済特に日本に及ぼす影響と対応について、国民に理解・協力して頂けるような論戦を参議院で期待しています。具体的にはイランの反撃により戦争が長引き、原油・天然ガス供給が滞り、価格上昇が及ぼす世界経済への影響です。IMFの試算では、原油価格10%上昇(現状は50%まで乱高下)は世界経済の成長率を0.3%下げ、物価を0.4%押し上げるとか。早速の世界株安です。日本はエネルギーを輸入に頼り、特に原油の大半はホルムズ海峡経由の中東からなので、その影響は更に大きいのです。
現在日本では、食料品を中心に物価の上昇が続いています。政府は物価を上回る賃上げ要請を軸に、食料品消費税率の2年間ゼロ、ガソリン暫定税率廃止、高校授業料や給食費無償化等々の対症療法的物価対策を考えています。だが原油価格高騰が続けば、目に見えるガソリン価格や家庭用電気・ガス料金の高騰以上に、全ての生産活動に必要なエネルギー価格の上昇の結果、一時的な痛み止め対策が吹っ飛ぶインフレ圧力がかかってくる恐れがあります。経済の実質成長たとえば「物の生産が5%増え・物価が3%上がる」ではなく、名目成長「物の生産は3%増で・物価が5%上がる」の日本経済の現状をどうするかの骨太の根本的論争・解決策の議論が待たれます。
現在の物価高は、原油を含む輸入品の円表示額の高騰(円安)に原因が。高度成長期・安定成長期の1ドル100円の為替レートなら、原油価格が1バーレル200ドルになっても2万円で輸入できますが、1ドル160円の現状では3万2千円です。今やるべきは人気取りの対症療法でなく、日本の労働生産性を上げ、為替レートをかつての1ドル110円程度の戻す根本的治癒です。円の購買力はマクドナルドのセットが日本で千円、米国で3千円で分かるように、現状の円レートに反映されていません。何故か、どうすれば円高に持って行けるか、根本治療は来週ご一緒に学びましょう。