米・イスラエルとイランの戦闘の先行きが不透明で、原油供給停滞で日本を含む世界経済の混乱や先行き不安が続いています。この事態は第二次世界大戦後の世界秩序の耐用年数が切れ、日本もどのような立ち位置で、将来を護っていくかを問いかけてもいるのです。第二次世界大戦(大東亜戦争)の悲惨な結果への反省から、人類はその原因となった①重商主義的自国第一主義、②軍事力による経済権益・植民地確保、③無差別な人的攻撃等の禁止の為、㋑国連中心の国際秩序、㋺IMF・GATTによる自由貿易体制を設立しました。
二つの体制は内部に矛盾を抱えつつも、第二次世界大戦の唯一の実質的戦勝国・米国による圧倒的な軍事力、経済力(米国の犠牲・負担、他国の米国依存)に支えられ、機能してきました。米ソ冷戦中の西側世界、冷戦終結後は全世界が米国の世界の警察官の恩恵を享受していたともいえます。二つの体制の抱える矛盾は、米国の力が相対的に低下し、その役割を放棄し始めるにつれ露呈します。最近ではトランプという自国・自分ファーストの米大統領の下で、その矛盾・混乱は全世界に拡大しています。
国際法や協定による秩序は、国内法のような公権力による強制、警察権・検察権、司法権による裁判、刑罰による担保がなく、参加国の良識に頼っているに過ぎないのです。特に重要な立場の米国大統領が、「自分には国際法等意味がない」と豪語するに至っては、秩序が自壊するのは自明の理です。
固定相場が前提だったIMF体制では、勤勉により労働生産性を高め、実質的為替レートが切り上った国(最初は西独・日本、現在は中国)が、自由貿易のGATTの下で比較優位に立つので、IMF体制は国際収支不均衡で崩壊を始めます。ポンドの国際通貨脱落、スミソニアン協定、プラザ合意等々。貿易赤字に耐えられなくなったトランプ関税は、第二次世界大戦前夜の様相そのものです。
この状況下で日本はどう生き抜くか。まず日本を耐久力、外交交渉力ある国に立て直すこと。繁栄した国はあっても繁栄し続けた国はないとの歴史の必然・人間の弱さに挑戦するには、①自分の可能性のなかで国民が自立自助の気持ちを失わず日常を送る。公益を考え勤労意欲を失わず努力する。②結果として他国より労働生産性の高い日本経済を再生する。第二に米国は日本にとって、安全保障・経済の最重要の同盟国との現実を認めつつ、米国が日本を無視できない環境・条件を創る。オーストラリアやASEAN諸国とアジア版EUを考えてみる。安保改定に努力した岸元総理、ロン・ヤス関係の中曽根元総理、これ等親米の元総理は、同時にアジア外交重視の政治姿勢だったのです。