日本銀行は先週の政策決定会合で、政策金利を0.25%引上げ1%としました。米・イスラエルとイランの戦闘による原油供給不足・価格高騰が、円安による輸入品の円表示額高に拍車をかけ、多くの価格を押し上げている現状への対応とか。物価高には、①消費や投資過熱によるもの。②消費や投資の過熱ではなく、円安による物価上昇があります。今回の利上げは、②の円安による物価高への歯止め効果、結果としての例えばガソリン消費節約を促す等経済全体への警鐘効果が期待され、私は遅きに失したとの印象です。
政策金利引き上げは私達の生活にどう影響するのか。定期預金金利が上がるので利子収入は増えますが、住宅ローンの負担も逆に増えます。大きくは日本経済や財政への影響を通じ、私達の日常に係わってきます。企業の借入金や消費者ローンの金利が上がるので、設備投資や消費は抑制されます。また国の財政(例えば一般会計122兆円)の4分の1は国債29兆円で賄われているので、その金利だけでなく、今まで発行した国債の残高1145兆円も借り換えでしのいでいるので、借り換え金利も上昇し財政運営は難しくなります。
だが利上げで良いことも期待されます。消費者物価高騰の原因は円安による輸入物価の円表示価格上昇です。かつては1ドル80円だったのが現在160円ですから、輸入品は2倍の値上りです。為替レートは①その国の経済力の強さ(労働生産性の高さ)。②国際収支が黒字か赤字か。③その通貨の購買力。④その通貨の流通量。⑤その通貨を持つことで得られる利益(政策金利が高いか低いか)。⑥その国の借金(国債発行残高)の多寡等で決まると述べてきました。
今日の日銀の決定は④の修正により円高の方向即ち消費者物価抑制の方向に働くはずです。だが本格的な円高に流れが変わるには、①を通じ②③の一層の改善が望まれます。その為には、例えば高市さんの17分野のような戦略的産業への国内設備投資と労働意欲の再生による日本経済の競争力回復が大切ですが、⑥についてマーケットに隙を見せぬよう、積極財政でも「責任ある」を忘れず、必要な負担を受益者たる国民に求めないと、消費者物価の更なる高騰という気付かぬ「大増税」で国民を苦しめることになります。
米連銀が利上げ志向を匂わせたように、他国もインフレ対策として政策金利を引上げるので、今回の利上げ効果が相殺されてしまったのです。今後の日銀の金融正常化への、物価の守護神としての姿勢が何よりも期待されます。
週刊いぶき