週刊いぶき

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米イランの戦闘終結覚書への署名が19日にありました。①レバノンを含む全ての地域の戦闘の即時・恒久的終結等14項目の合意です。ただ詳細は今後60日間の協議による最終合意如何が多く、米・イラン双方の解釈・思惑が食い違っており、楽観できないのでは。「覚書」は外交責任者間の合意で、米イラン双方が国家としての義務や債務を負う最終合意は、民主制の国では条約・協定として主権者を代表する国会(米国では上院)の承認が必要なはずですが、御教示があれば是非。

双方の発言・思惑の違う点を記します。㋑イランは核兵器を製造しないと記されていますが、現存する濃縮ウラン(核兵器の原材料)の処分の記述はなく、双方の発言に大きな差があります。②イランは30日以内にペルシャ湾の航行を戦闘前の状況に戻すとありますが、その後通航料ではなくとも他の名目で対価を徴収するかは双方の発言は違っています。イランにこれを許すと、海洋法上の自由国際海峡(マラッカ・台湾等々)で同様のことが今後生じ、世界経済に影響が出るでしょう。

今回の戦闘で米国は、㋑イランが核兵器を製造しないとの覚書での約束、㋺最高指導者ハメネイ師の殺害に成功したものの、㋩イランの体制転換に失敗し、㋥経済制裁の解除、㋭イラン産原油・派生品の輸入制限解除、㋬凍結資産の解除、㋣3000億ドル(50兆円弱)の対イラン復興基金の設立等々譲歩が多すぎるようです。何よりもホルムズ海峡を封鎖し、世界経済を人質に取れば、超大国米国にも対抗できることを世界に示され、米国の威信は大きく傷つきました。米国内のガソリン価格高騰以上に、この現実を11月の中間選挙で米国民がどう評価するか注目でしょう。

今後の日本への影響・対応は。全ては60日間の話合い如何です。注目すべきは、①レバノンの親イラン勢力ヒズボラとイスラエルの戦闘が続くと、覚書違反となります。②イランの濃縮ウラン処理に合意ができないと、米国の面目は丸潰れです。③ホルムズ海峡の自由で安全な航行の実現はどうか。これ等で意見がまとまらないと60日後の戦闘再発もあり得るでしょう。日本にはホルムズ海峡の機雷除去への要請があるかも知れません。日本の存在感を示す為にも参加する場合は、憲法や国内法の制約があるので、イラク戦争時と同様に戦争終結が条件となります。米イランの具体的合意成立の為、日本が出来る役割は何かを高市政権が世界に示せれば、日本の存在感は高まるでしょう。