週刊いぶき

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中曽根弘文さんが6月28日、富山での講演で①愛子様(内親王殿下)は天皇にはなれない、②天皇になられたら結婚できないと話したとか。参議院当選7回の経験豊かな中曽根さんは、両院議長の下の皇室典範改正会議の自民党代表の1人です。天皇(皇室)の地位は、憲法により「主権を有する国民の総意に基づく」ので、全国民の主権を預る唯一の国家機関である国会が典範改正を協議し、改正案は今週参議院で審議されます。

落ち着いた紳士の中曽根さんが自分の立場とこのタイミングを考えず、何故あの発言なのか。②は論外として、①は現皇室典範では間違いではありません。森衆議院議長が記者会見で、「男系のご養子の子孫は皇位継承権がある」と発言し、「各党合意ではない」と批判を受け、「現皇室典範の解釈を申し上げた」と釈明したのと似ていると思いました。現行法の解釈としては正しくとも、立場やタイミングで発言を控えるべき事柄は多くあるのです。

明治維新で急速な近代化を迫られた新政権が、皇室のご意志かは不明ですが、迅速な意思決定の為権力を集中しようとし、「万世一系の天皇日本国を統治する」との大日本帝国憲法を定め、その皇統安定の為に作成したのが旧皇室典範です。戦後それに手を加えたのが現行法です。武家に権力が移った13世紀の承久の変から19世紀の明治維新までの約700年間と戦後の80年間は、皇室は税や苦役を課す権力の王でなく、日本人の生き方、文化の象徴としての権威の王であったが故に、国民の敬愛の的として世界に類を見ない千年を超える皇統を紡いでこられたと思います。

6月10日の産経新聞1面のインタビューで、私は皇室典範改正には皇室の悠久の歴史を学ぶことを国会に望むと述べています。皇室の歴史では、①生前退位(自発・強制)あり、②父方に天皇の血筋(男系)の女性天皇は存在、③現皇室は男系の閑院宮家より光格天皇をご養子に迎えたお血筋、④しかし女系(父親が皇室以外の方)天皇は存在しない。①~④こそが皇統の歴史・伝統で、皇室典範とはかなり違います。この歴史と皇室の現状を踏まえ、今後も国民の敬愛の的としての皇統を継いでいくには、中曽根さんが思わず口にした具体的お名前、ご結婚のお相手、御子ご誕生、その性別等々を想定し、あらゆる事態に対応せねばならないのですが、これは公に議論するのははばかれることでもあります。誰かが皇族のご意向を忖度し、影となって日本国の為に勤めていただくことを願うばかりです。

22日のBSフジ「プライムニュース」に出演します。