週刊いぶき

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沖縄辺野古の飛行場建設埋立て工事現場に、平和学習に訪れていた同志社国際高校の女子生徒の乗船した基地反対抗議船が転覆、学生と船長が死亡した事件は記憶に新しいところです。この事件は2つの面から考えさせられる問題を含んでいます。①研修旅行中の生徒の安全管理。②日本の安全保障、日米安保体制(安保条約)という国論の分かれる場所で、反対運動の抗議船に生徒を乗船させることが「教育における政治活動の禁止」から妥当か否か。

①について報道は、㋑引率の教師が同乗していなかった、㋺抗議船は不特定多数を乗船させる許可を取得していなかった、㋩操船を生徒に委ねた事がある、㋥当日の気象や海洋状況の確認が不十分等々です。報道通りなら引率教員の責任はどうなるのか。他方、抗議船の運航団体の法的責任は所管官庁や捜査当局に委ねればなりませんが、将来ある最愛の娘さんを失われたご家族の心情を思うと、やり切れない気持ちが私にもあります。
②学校教育における政治的中立は、文部科学省が教育基本法第14条2項に定める「政治的中立」に違反するとして、学校法人同志社に注意を行い、実務を預る京都府が私学助成費減額を検討と報道がありました。一方でこの動きに対し、学校側は異議を申し立てたとか。学校での政治教育が萎縮すると一部の教職員グループの声も。私は学校法人同志社傘下の中学校で3年間学び、平成18年の現教育基本法改正時の文部科学大臣だったので、私見を述べたいと思います。
現教育基本法14条2項は「法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他の政治的活動をしてはならない」とあり、この条文は昭和22年の旧基本法8条2項から変更はありません。中立な政治教育は、一方の主張でなく両論を正しく伝え、生徒の判断を求めるものです。例えば「①辺野古の飛行場は普天間の米飛行場の代りとして建設されている。㋑反対は環境保全、米軍基地反対。㋺賛成は人口密集で危険な普天間返還のため必要。②㋑反対は日米安保は不要、㋺賛成は日本の安全保障のため必要。③君達も①と②について考えてみよう」と生徒に問いかければ、萎縮等心配せず授業はできるのでは。
文部科学大臣は「諸般の状況を判断して」と注意理由を曖昧に述べていますが、地元では教育現場の状況を本部はどの程度把握しているのかとの声も聞きます。学校法人の文科省への報告は、私達にも公開してほしいと思います。