総選挙も中盤、各地に応援に伺うと自公対野党の構図が変り、日本社会の価値観の分散による多党化もあって、選挙戦に当惑いがあるようです。首長選挙は自公協力、総選挙は「中道」の立憲・公明対自民も。連立合意した自民・維新の小選挙区での激突も。多党化の評価は人それぞれとしても、単独過半数を制する政党が出ない場合、閣内外協力であれ、野党としての協力であれ、有権者受けの良い提案を協力条件とし、その為の財源や法案処理に責任を持たない食い逃げ政党のある限り、安定した筋の通った政治は難しいでしょう。「政治の安定」を今一度皆で吟味し、一票を行使すべきと考える昨今です。
選挙の論戦を聞いていて、私には理解できないことを二つ。①維新の吉村大阪府知事の辞職のニュースを聞いた時、吉村さんが総選挙に出馬し、いよいよ国会議員として国政に関与するのかと一瞬期待しました。だが知事選のやりなおしと知りガッカリ。日本国憲法は、「主権の存する国民の投票で国会議員を選び」、「国政の権力は国民の代表がこれを行使し」としています。国政の三権の一つである行政権の在り方、国権の最高機関の国会議員定数について、大阪府民が選んだ自治体の首長が影響力を行使するのは、国会の権威、憲法の法理から如何かと議長経験者としては考えていました。維新の松井前代表の言葉を借りれば、「再選されても大阪都構想の民意の確認にはならない」のでは。二度の住民投票で否決され、今回再選されても残存期間終了後また知事選挙、大阪都移行には三度目の住民投票です。議員定数減を主張する維新には、三度の選挙費用の負担を考えると、知事権限濫用の自制を求めたいと思います。
②「中道」だけでなく、維新と公約をそろえる為か自民党も食料品消費税率の2年間ゼロの検討加速化の公約。消費税収年27兆円は法律により全額が39兆円の社会保障財源となり、基礎年金給付の半分、高額医療費の補填、長寿者医療制度の保険料抑制等に充てられています。食料品の消費税収は約5兆円で、この穴埋めがないと社会保障は頓挫します。「中道」のような基金の運用益構想では毎年度5兆円の確定財源にならず、赤字国債増発になりそうです。さて自民・維新はどうするのか。国債増発・国債価格低落・長期金利上昇・円安加速・輸入品価格上昇・消費者物価上昇で消費税引下げ分等吹っ飛ぶのでは。消費税導入、3%から5%引き上げで内閣総辞職した竹下さんや橋本さん、税と社会保障一体改革で10%の道筋を付けた「中道」の野田さん、心ならずも10%を実現した安倍さんは、目先の集票目当ての消費税減公約のオンパレードをどう見えているのでしょう。