先週の初夢実現の為の具体的政策、それを担う政治、企業経営、働き手であり主権者である国民が、各々如何にあるべきかを考えましょう。終戦後80年の日本近現代史を振り返ると、戦争と敗戦のトラウマから、私達は現憲法の下で日米安保条約と米国の核の傘に日本の安全を委ねてきました。結果として、米英独仏日のG5のなかで唯一戦場に自衛隊を送らず、国民は平和を当り前と思い享受してきました。それを可能にしたのは経済力でした。軍事的貢献が限定されていても、日本抜きには経済的取極めはできないと評価され、経済力即外交交渉力でした。
かげりが見えている経済力を表す指標の一つとして、為替レートを考えてみます。終戦時の80年前、1ドルの外国製品を買うのに日本人は360円を払いましたが、先輩世代の努力で一時は70円で済む5倍も円の値打ちは上ったのです(今は150円)。円安は輸出に有利で、景気も株も上るというバブル志向が間違っているのは、円安で輸入原材料価格が上り、食料品やガソリンの値上げで身にしみたはずです。円安は日本人の技術や労働力が安く買われ、外国のそれを高く買わされているのです。1ドル70円の実力を取り戻せば、国際比較のGDPは70分の150と今の2倍になる計算です。
経済力の指標の一つ、円レートは株価と似ています。①将来性、②利益、③配当、④経営能力と社風、⑤借入れ金の多寡等。となれば円レートを高くし、それでも競争力・成長力ある日本を創る方向が見えてきます。①技術開発に資源を集中し、経済を索引する産業を創る。戦略製品の工場を国内に復帰させる条件を整える。②最終利益の経常収支は黒字なので、円高でも営業利益である貿易収支の黒字化に努力する。③その為にも金融を正常化し、公定歩合を徐々に引上げる。④政治の安定と権利・義務のバランスを国民が自覚する。⑤財政規律を取り戻す為、集票目的の減税やバラマキ提案を政治が慎しみ、国民もそれを見抜いて投票する。
それには、日本人の生き方のなかで護らねばならぬものを、政治・経営・日常生活のなかで取り戻せるかです。自由に情報に触れ、発言も行動も自由な日本に住む私達は、経済活動も働くことも自由です。日本は弾圧や統制もなく、自由な投票で国を左右できる民主制の国です。それだけにポピュリズムに陥らぬよう、一方通行のSNSだけでなく多様な意見を聴き、家族・地域社会、日本という運命共同体への帰属意識・勤勉・努力を取り戻せるかでしょう。