国民に嘘をつかない政治
   難局を処理する能力・経験・責任感 (2012.01.01)

解散総選挙で再出発に時!!

政権交代から二年半、民主党政権の政策は、あれほど批判していた自公政権のそれに戻っています。普天間の移設、社会保障と消費税、年金改革、長寿者医療制度等々。政治とは、理想を持ちつつも、現実を混乱させず、一歩一歩それに近づける苦しい作業です。自公政権が苦しみつつ到達した政策に、現実を預っている限り、回帰するのは当然のことでしょう。

では与野党協力でやれるかと言えば、民主党の約束不履行で、主権者たる国民や交渉相手国との信頼が壊れているので、ことは簡単ではありません。結局、混乱と信用失墜だけの二年間でした。「人なすべからざるあり。しかる後にもって、なすべきあり」と孟子は教えています。信用を失なっては、何もできないのです。民主党の国会議員が良心に問い直すべき点でしょう。

東日本大震災、タイの洪水、EUの財政危機、米国経済の混迷等難問が山積しています。TPPへの対応、日本の主権の侵犯等の外交案件もあります。政党としての統制、与党としての自覚に欠ける民主党はもう限界なのです。

民主党が駄目なことは分かっている国民から、「自民党で」との声が強くならないことこそを自民党が考えるべき時です。新綱領の理念に沿った主張を、自民党らしく力強く堂々と掲げ、毅然と民主党との違いを国民に訴える時です。

政局の山場は三月

国の基本、統治の在り方は憲法に示されています。主権者は国民です。国民から正当に選ばれた議員が構成する国会が国権の最高機関。内閣総理大臣は国会が指名します。総理を指名した党が与党として内閣を支えるのが議院内閣制です。

従って、与党と内閣、与党内は一枚岩でなければ内閣は機能しません。総理大臣は閣僚を任命し、出来上がった内閣が行政を執行します。予算や法律案の国会提出には、内閣は連帯責任を負います。内閣を通じ、与党だけが行政権に関与できます。

一方野党は、行政権には直接関与はできません。「自民党は景気を何とかしてや」、「復興対策が遅れてるぞ」等のご叱声をいただきます。が、提出が遅れ、内容に問題があっても、野党は国会での審議で協力し、修正でしか予算や法律に関与はできないのが憲法の建前です。

公約は主権を預る契約

選挙は、国民が主権を託する議員や政党を選ぶ大切な行為です。その選択の判断基準は、党の公約、マニフェストや候補者の選挙公報、政見放送、演説等です。前回総選挙で、民主党が自らのマニフェストを国民との契約と称したのは、皮肉にも正しい表現でした。

だが契約不履行の現実は、票を振込ませ、当選し、与党として行政権を掌握するための詐術と言われても仕方のないものでした。子供手当、高速道路無料化、ガソリン税半減、普天間移設等。

民主党衆議院議員の当選の正当性、その議員の投票で出来た内閣の正当性には、疑問符がつきます。マニフェストで言及なく、「やらない」と言い続けた消費税を含む税制改正を「やる」という野田内閣の姿勢は、この疑問符を大きくしてしまっています。

正しい手順が大切

長寿社会で増加する社会保障費を賄うため、消費税を含む税制改正は喫緊の課題、正しい政策です。正しい政策は、憲法に従い、国民に堂々と公約し、実行されねばなりません。それは政策の適否以前の、民主国家の基本ルールなのです。主権者との契約、選挙公約とは、それ程重いものです。

政権交替から二年半、民主党政権の政策は、口を極めて批判して批判していた自公政権の政策に回帰しています。普天間の移設、税と社会保障、長寿者医療制度、年金改革、労働者派遣法、そして目玉政策の子ども手当すら児童手当に逆戻りです。政治は、現実を混乱させず、理想に近づくための、苦しく、粘り強い作業なのです。民主党政権がこの現実に思い至ったからこそ、自公政権時代の政策に戻らざるをえなかったと言えましょう。

不況脱出・自民党案

普天間で揺らいだ対米関係の修復、TPP交渉で国益を護る為の交渉能力等々の外交上の課題、豊かになった国の歴史的な宿命ともいえる長寿少子化と経済成長の鈍化、対外要因による円高不況、そして財政再建等々。国民は民主党の能力不足について、充分に学習されたはずです。

問題は自民党ならこうするを明確に示さねば、自民党への期待は膨らみません。例えば景気対策です。投資意欲が沸かぬ現実に対し、有効需要不足に手を打たねばなりません。優良企業が設備投資をする環境を創る政策と政治力を示す時です。

消費税を引上げ、年間三八兆円の赤字国債を減し、その分を年間六兆円の建設国債に振り替えるのです。研究開発や公共投資等将来に役立つ支出により、政府投資で経済を牽引できます。政策を判断する適確な現状認識能力が鍵です。

民意を問い再出発

民主党内閣の正当性の欠如、即ち信なくば立たずの現状、見識や責任感、政策能力不足が、危機を増幅しています。しかし、この程度の政党に選挙で敗れ、結果として日本を混乱させてしまった自民党の責任も大きいことへのまず反省です。

国民より党を考え、国民にあきられた反省のうえに、自民党は綱領を改め、政策判断の基準となる政治理念を明確にしました。公募制の導入等候補者選考を透明化し、生れ変る努力をしています。

自民党が嫌で民主党、民主党が駄目で自民党では、政治は良くなりません。税制改革等が山場を迎える三月は解散も予想されます。政党も、一票を投ずる国民も、試されるときでもあることを自覚しましょう。

伊吹文明 顔写真

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