国会レポート

NO.186 年金問題に見る言葉の大切さと謙虚な態度

せわしなや我もひとりか年の暮れ。寒さが増してきました。お元気ですか。

年金は老後の最大の拠りどころで、国民の関心の高いテーマです。参議院選挙での自民党惨敗の理由の一つは、年金管理のずさんな社会保険庁労使、それを見すごしてきた歴代内閣のつけを安倍内閣が一身に受けたからでした。年金管理の失敗は安倍内閣以前の問題ですが、明るみに出た後の説明のまずさ、言葉の失敗に国民は強く反撥しました。

所謂五千万口の帰属不明の年金記録を、政府と与党は「最後の一人までチェックし、正しい年金をきちんと支払います」と述べていました。ところが、来年三月末までのチェック途中で、約一千九百万件の帰属が不明と社会保険庁が発表し、野党が公約違反と批判。官房長官や厚労大臣の開き直ったような発言が国民の反撥を買ったのも残念なことでした。

政府は約束どおり、五千万口全てを調べ、帰属をチェックするのです。が、結婚後も旧姓のままとか、死亡等々の理由で、全ての帰属は分からないとの事実が分かったのです。正しく真実を国民に伝える政治家の言葉、誤解を与えた表現に気付いたら、訂正し、言わんとした真実を伝えられなかった言葉を詫びる勇気こそが政治家の条件でしょう。

これをもって、今年最後のレポートとなります。来年は、幹事長としても、京都一区の代議士としても、厳しい試練の年となります。ご指導、ご支援をお願いします。ご自愛を。

2007年12月21日 於議員会館

伊吹文明

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